今や誰もが朝の通勤電車でスマホかタブレットに熱中し、会社でデスクトップパソコンを睨み、そして自宅に戻るとノートパソコンでネットサーフィンという毎日を送っています。つい30年前には、そのどれもがSFの世界のお話でしたが、今やライフラインといえるまでに世界中にネットワークが張り巡らされています。こうして企業へのITの導入が一段落したところで、この先のITエンジニアが、これまで通りで通用するとは誰も思っていないでしょう。
はじめは目をぱちくりしてこわごわ触っていたのも忘れて、今や企業がITエンジニアに求めるのは、金の卵を次々と産むことです。つまり最新のIT技術に精通し、それらを駆使して必要なシステムを考案し、そろばん勘定に合ったサービスを提案できるところまで求められているのです。確かにこれまでのITエンジニアは、なんとなくプログラマ、ネットワークエンジニア、データエンジニアなどという技術領域に棲み分けてきました。その垣根は、アリの目から見れば天井まで高くそびえている気がしていても、タカの目から見れば何も無いのです。
そして一足早くタカの目を持ったマルチエンジニアが活躍し始めています。その中でもフルスタックエンジニアとは、通常であれば複数の専門分野にまたがる知識や技術に精通しているため、一人で高品質のシステムを開発し運用できるエンジニアのことです。狭義にはアプリ開発とインフラ構築という両分野に精通しているエンジニアを指すことが多いようです。彼らは、そのサービスを実現するための最終的なコードをどう書くのかを決して忘れません。従って、最初から最後までどこにも破綻無く、すべてを一つのシステムにまとめ上げるのにはどういう構想でなければならないのかという問いに、両分野が互いに剣突を食らわせてもうまくなだめて素早く飼いならしてしまうので、非常に効率が良いのです。そして資金にも人材にも乏しい立ち上げ間もないベンチャーなどでは既に引っ張りだこの存在なのは言うまでもありません。
一方、ITエンジニアの世界に限りませんが、顧客の欲しいものを的確に掴んで具体的なシステムやサービスを開発し、これを誰にでもわかるような易しい言葉で提案できる、問題解決型のイノベーターも求められています。顧客はITに慣れつつあるとはいえ、その数倍の速度で最先端の技術革新は進んでおり、その技術を企業が使えるものにカスタマイズして教えてくれる人材を企業は常に必要としているのです。そしてエンジニアとしての技量だけではなくマーケティングの視点を持ち、プロダクトやサービスをより広く受け入れられやすく、より寿命の長いものに成長させるための手立てを開発段階やアイデアの段階から提案できるグロースハッカーという存在に、今、特にシリコンバレーから注目が集まりつつあるのです。
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これからの時代に求められるネットワークスキルとは、あらゆるモバイルデバイスを受け入れながら強固なセキュリティを確保し、安定して動作するネットワーク環境を構築、管理するスキルです。特にセキュリティに関しては、常に最先端の情報と知識を仕入れ、自らスキルをアップデートしておく必要があるでしょう。フリーランスのネットワークエンジニアとして成功するには、時代の動向とこの先のトレンドをいち早くつかみ、前倒しで時代を乗り切る勢いを持ちましょう。
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フリーランスのネットワークエンジニアが目をつけるべきは、ビッグデータの分野です。クラウドに負けず劣らず注目を集めているトレンドキーワードといえば、ビッグデータです。経済活動におけるビッグデータの活用は、まだ成功例も少なく、かつ、データベース解析などビッグデータ関連のスキルと知識を持つエンジニアも少ないため、今のうちから習得しておけば今後必ず役に立つスキルといえます。ビッグデータ関連の案件は今後増えていく見通しです。